「ラリベラの岩窟教会 Hewn-Rock churches in Lalibela」(2/3)
Group2(South-east)
第二グループに続きます。ヨルダン川から南にありますが、第一グループと違って入り口が非常に分かりづらい。
1と2、Bet Gabriel and Rufael (Church of Saints Gabriel and Raphael;聖ガブリエル教会、聖ラファエル教会)
外観は1つの教会だが、内部は2つの教会に分かれる。
堀を深くしてあり、要塞や監獄のよう(左)。堀の下には、地下貯水地に続くと思われる井戸が見える。
教会側から見た回廊(上)と回廊側から見た教会(下)。
・入り口は同じだが、2つの部屋に分かれている。橋から向かって左がGabriel、右がRaphael。
・教会は、要塞のような外観で、アクスム様式。元々は教会ではなく、王家の住居か監獄だったとも言われている。
・教会の脇には、天国の階段がある。
・回廊下に見える井戸のようなものの地下には貯水池があるらしい。
・現在は回廊側から橋を渡って教会へ行くことが出来るが、本来の通路ではなく後に作られたもの。元々はAmanuel側からの通路を造る計画やさらに大きな教会を造る計画を記した図面が残っている。
3、Bet Abba Libanos (Church of Abba Libanos;聖アバ・リバノス教会)
Raphaelを正面に見て右手に進んで、裏手に回って行くとLibanosが見えてくる。個々が一番分かりづらい。
・4方は他の教会と同じように掘ってあるが、天井が周囲の岩盤と繋がっているのが特徴。
・靴を脱げば、周囲を回ることが出来る。
LibanousからAmanuelへはこのような回廊や地下通路を通らなければならない。最後は、右下写真の穴をくぐって行く。
4、Bet Amanuel (Church of Saint Emmanuel;聖アマニュエル教会)
・maryamと共に最も古いと言われる教会
・最も美しいとされており、かつて王家の礼拝堂だったと考えられている。
・外壁は、水平と垂直のラインが強調した凹凸が施され、窓の形はアクスム様式。
・教会内部は、身廊と側廊にはアーチ型天井が架かっており、初期キリスト教会の建築様式との共通点が見られる。
・マルコリスと35mのトンネルで繋がっているらしい。
AmanuelからMarkoriosへ続く通路。
5、Bet Merkorios (Church of Saint Mercurios;聖マルコリオス教会)
後ろに見える屋根はアマニュエルのもの。
聖人マルコリオス。黒い馬にまたがって戦う姿が描かれる。敵は様々。
壁画が残るが、目を凝らさないと見えないほどに退色している。
・8本の荒く削られた柱が特徴。
・柱に壁画が残っている。
・この教会の入り口付近には、地下道への入り口がある。本当に暗いので、ライトが必要。この地下道を抜けるとGroup2が終わる。教会群は地下15mに位置するので、礼拝しやすいように地下道で繋がっているらしい。「天国への道」(天井が抜けて空が見える道)や「地獄の道」(地下道となっている)などと呼ばれている。
地下道を抜けると最終的にこのBethlehemの塔に出る。
その後も色々と通って最終的にこの通路から外に出て第二グループが終了。
Group 3
Bet Giyorgis (Saint Giyorgis;聖ギョルギス教会)
第一グループとは道を挟んで反対側に位置する。
高台からのGiyorgis教会。
下から見上げた教会。
聖人ギョルギス。白馬にまたがった姿でドラゴン退治の場面が描かれる。エチオピア正教会では、女性をドラゴンから守った伝説のため、女性が木の上に逃げている姿なども同時に描かれる(他の正教会とは場面の解釈が異なる)
・最も有名で、保存状態がよい。
・12x12mの屋根は三重の十字架がほってある。
・教会内部には柱がなく、十字形の箱のようになっており、「ノアの箱船」を象徴しているともいわれる。
・ヨルダン川北に1つだけ、11教会の中でも離れた場所に作られている。これには言い伝えが残っていて、教会群の建造も終盤に差し掛かっていた頃、ラリベラ王の夢枕にSt.Giyorgis(正教会の聖人)が現れ、「私の教会はどこだ?」と質問し、ラリベラ王が「あなたにふさわしい教会を作りましょう」と約束した後に建造を始めたのがこのSt.giyorgis教会。このような理由で最後に建造したので、1つだけ離れた場所にあると言われている。
・13世紀初めに作られ、最も新しいと考えられている。
・ギリシャ十字、アクスム様式。窓はGolgotha様式に見える。
・親切なことに?、高台に登ると上から見ることが出来る。教会の北西には、岡が見えるが、これは土曜マーケットの会場となっている。